マイカー通勤のガソリン代の計算方法は?|通勤交通費の支給ルール
2025年11月に、交通用具利用時の片道金額区分の非課税限度額が改正され、また、2026年4月からは、長距離区分の非課税限度額の新設、駐車場代等の非課税限度額の新設が発表されました。
業務担当者としては、マイカー利用の通勤交通費の支給に関するルールやガソリン代の計算、非課税限度額について常に最新の知識で、マイカー通勤への対応ができるようにしておきたいですね。
ガソリン代を通勤手当として支給する際には、多くのことを考慮しながら、通勤規定に盛り込む必要があります。
例えば、以下のような事柄について詳細に決めていくことが必要になります。
- ・ガソリン単価の決め方
- ・車種の違いによる燃費の扱い方
- ・走行距離の算出ルール
- ・ガソリン代計算時の端数処理のルール
ここでは、マイカー通勤に関わる通勤交通費の扱いについて考えていきます。
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通勤手当のガソリン代の支給ルールを決める
マイカー通勤者へ通勤手当を支給するために、まずは就業規則や通勤規定にガソリン代支給のルールを明文化します。
通勤手当は法律で支給が義務付けられているものではなくて、あくまで企業が任意で定める福利厚生の一環になりますので、支給条件や計算基準を明確に定めておき、従業員間での不公平感が生じないように配慮すること、また適切な経費として扱っていくことが大切になります。
その際、次にあげる事柄について、しっかりと規則として記載をしていきましょう。
- ・マイカー通勤対象者の範囲や申請方法
- ・具体的なガソリン代の計算方法
また、ガソリン代を支給する運用ルールには、以下のような細かな事柄も盛り込みます。
- ・ガソリン代の支給金額を走行距離から計算するのか
- ・ガソリン価格の相場を反映して定期的に単価を見直すのか
ガソリン価格は変動が激しいため、通勤手当の計算に用いるガソリン単価の改定時期や、参照するデータ元についても定めておくのが一般的です。
また、自宅から会社までの距離測定に使用するツール、有料道路の利用可否、駐車場代の負担割合など、細かなルールをあらかじめ規定化しておき、従業員へ周知徹底をおこなっていきます。
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通勤交通費のガソリン代計算方法
規定を定める際には公平性を保てるよう、通勤交通費のガソリン代計算式を決定していきます。 ガソリン代の計算方法には以下のような考え方があります。
- ・ガソリン単価・燃費等を用いた計算方法
- ・距離ごとに一律単価を支給する方法(ガソリン代の距離単価方式)
- ・実績払いや一律のガソリン金額を支給する方法
ガソリン単価・燃費等を用いた計算方法
マイカー通勤の交通費を算出する方法の一つに、ガソリン単価、通勤距離に応じてガソリン代を計算する方法があります。
この方法の場合は、勤務先までの距離と、月間の出勤日数、ガソリン単価でガソリン代の通勤手当支給額を決定していきます。
加えて、車の燃費性能を考慮して1リットルあたりの走行可能距離を式に含めるケースもあります。
ガソリン代の計算式
マイカー通勤時のガソリン代は、以下の計算式で計算することができます。
(往復の通勤距離÷燃費)×ガソリン単価×出勤日数
実際の距離をもとに計算をすることで個々の従業員の通勤実態にあった、細やかなガソリン代の通勤手当の支給となります。
実際の走行距離や燃料価格を計算式に反映させる方法は、不公平感を解消することができます。
またハイオク車や軽油車など、車種によって異なる燃料の種類に応じた単価を設定すると、より正確な実費補填が行えるようになります。
走行距離の算出方法
マイカー通勤で走行距離を正確に測ることは、ガソリン代を支給する根拠となる大切な情報です。
通常は、従業員の自宅から勤務先までの最短経路、あるいは最も経済的で合理的な経路を基準に測定します。
インターネットの地図検索サービスを利用して、地点間の距離をデジタルで算出する方法も良く行われています。
距離を用いる場合には、あらかじめ「どの地図サイトを基準にするか」を規定で明確に定めておくことをお勧めします。
地図サービスそれぞれで、距離に誤差が生じることもありますので、距離を算出する地図サービスを統一することで不公平感をなくすことができるからです。
また細かなことですが、小数点以下の端数を切り上げるのか、あるいは切り捨てるのかといった詳細な計算ルールも規定しておくべきでしょう。
通勤手当へ適用される非課税限度額の決定にも影響しますので、統一された仕組みを整えておくことが大切になります。
ガソリン価格の決め方
マイカー通勤におけるガソリン代の支給額を決定する時に、重要な要素がガソリン単価です。
ガソリンの市場価格は原油価格の変動や為替相場、社会情勢の影響を強く受けるため、常に一定ではありません。 企業がガソリン単価を決定するためには、明確なルール化が必要になってきます。
具体的な決定方法の一例として、資源エネルギー庁が毎週公表している石油製品価格調査の結果を
指標にする方法があります。
この調査では、都道府県別の平均価格がデータ化されるので、社内規定で
「毎月○○日時点の都道府県平均価格を翌月の支給単価に適用する」
といったルールに用いることができます。
ほかにも、1kmあたりのガソリン単価を決めて行うといった、自社で固定のガソリン単価を設定する方法もあります。
ガソリン単価を固定して運用する場合は、一定のタイミングで見直しを行う「見直し規定」を設ける
ことも有効になります。
例えば、3ヶ月ごとにガソリン単価を改定すると定めておけば、事務負担を抑えつつ実態にあった
ガソリン代の支給につながります。
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燃費の把握
燃費とは、燃料1リットルあたりで走行できる距離を指しますが、これをどのように設定するかによって支給額の公平性が左右されます。
燃費の把握方法には、大きく分けて二つの考え方があります。
- ・従業員の車両ごとの実燃費を管理する
- ・社内で一律となる規定燃費を設定する
一つは、従業員が使用する車両ごとに実際の燃費を申請してもらう方法です。最新のハイブリッド車
と年式の古い普通車では燃費性能に大きな開きがあるため、個別に設定することで実費に近い正確な
手当を計算できます。
もう一つは、社内で一律の規定燃費を設定する方法です。
例えば「リッター15キロメートル」といった一律の数値を定めて計算を共通化することで、事務負担
を大幅に軽減できます。
ただし、燃費の悪い車両に乗る従業員から不満が出る可能性もあるため、平均的な走行性能を考慮した慎重な数値設定が求められます。
いずれの方法を採用する場合も、算出の根拠を明確にし、従業員間で不公平感が生じないよう就業規則等で具体的に定めておくことが大切です。
距離ごとに一律金額(距離単価)でガソリン代を支給
次に、距離単価を基にした通勤手当の算出方法についてです。
たとえば、従業員の通勤距離に応じて、片道距離の非課税限度額を参考に通勤手当を支給する方法が
あります。
この方法を用いると、所得税法上の非課税限度額内で通勤手当を支給でき、マイカー通勤手当額が毎月一定額になり変動が最小限に抑えられるため、管理しやすいというメリットがありますし、従業員は通勤手当への課税が発生しないというメリットがあります。
ただし、実際のガソリン代を下回る場合もあり、従業員にとっては不利益が生じる可能性も考慮する必要があります。
その他の支給方法
実績のガソリン代をあとから支給したり、距離に関係なくマイカー通勤に対して一律の金額を支給する、といった支給方法もあります。
これらの場合でも、通勤距離に応じた非課税限度額を超えた場合の対応については、考慮しておく必要があるでしょう。
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マイカー通勤手当の課税額・非課税限度額
マイカーの通勤手当の場合、非課税限度額は公共交通機関の場合とは異なった枠組みとなっており、
通勤距離に基づいて設定されています。
交通用具の非課税限度額区分については
「通勤手当に課税されているのはなぜ?!所得税と通勤手当の関係」
でご紹介していますので、是非ご参考ください。
なお、交通用具の非課税限度額の詳しい内容は、以下の国税庁のサイトをご参照ください。
国税庁 「通勤手当の非課税限度額の改正について」
有料道路代や駐車場代
通勤経路によっては有料道路を利用するケースもあるでしょう。
また、会社で駐車場が用意できない場合は駐車場代も必要になります。
ただし、これらが通勤手当の支給対象となるかは会社ごとの規定によります。
有料道路の利用料金は「最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法」であれば、
非課税の通勤手当に含めることが可能です。
これらの点を考慮したうえで、通勤規定で有料道路や駐車場利用の可否、通勤手当の支給の有無に
ついて明文化しておくことが重要です。
駐車場を通勤手当として支給する場合の注意点は
「駐車場代は通勤手当に含まれる?|課税非課税のルールも」
で解説していますので、併せてご参照ください。
社用車を利用する通勤の場合
法人名義の社用車の場合、その社用車を通勤に使用した場合でも、ガソリン代は経費の範疇として、
通勤手当として取り扱わない場合があります。
社用車は、個人の車両とは異なり、そのコストや税金の計算方法は十分に検討する必要があります。
コストの問題のほか、万が一の事故発生に備えた保険の備えや、私的利用禁止の徹底など、考慮
すべき点が広範囲にわたることになり、ルールの明確化、周知徹底が大切になります。
社有車の通勤利用については
「社有車での通勤利用は可能?|通勤手当の扱いや会社が定めるべきルールを解説」
でも解説しています。こちらも是非ご参照ください。
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マイカー通勤の場合に気を付けること
マイカー通勤の場合、通勤規定の基準に従った正確な情報で決定する必要があるため、通勤経路の
正確性、申請の正確性、計算の正確性等、きめ細やかな確認処理が必要になります。
通勤経路の正確性確認
従業員から申請されるマイカー通勤ルートの確認作業は多くの手間がかかります。
マイカー通勤の場合は距離が通勤手当に影響してきますので、社員が会社の通勤規定に基づいた通勤経路の申請を正しく行っているかに加え、正しい距離を申請しているのか、しっかり確認する必要があります。
その際に、インターネット上の地図サービスを利用してルート確認を行う、といったことで手間が
かかることもありますが、それでも正確な距離把握は難しく、判断に悩むこともあります。
実績支給時の証跡の扱い
ガソリン代を実費支給する場合は、領収書などの証跡となる書類の管理や、従業員が領収書提出を忘れてしまい、数カ月経ってから申請があがってくる、といったケースも発生しやすく、業務が煩雑となる要因になります。
手入力によるミス
手入力によるマイカー通勤手当額の算出は、ケアレスミスにつながることが多いです。
通勤交通費の算出を手作業で行うと、数字の打ち間違いなど入力ミスが発生しやすくなります。
通勤手当の支給額が正しくないと、後に差額を後追い支給の対応に迫られたりと、予期せぬタイミングでのカバー対応が発生する要因になります。
車両の保険加入の確認
通勤中に万が一事故にあった時の対応に考慮することが大切です。
マイカー通勤を行う前には、従業員が利用するマイカーは自賠責保険、任意保険に確実に加入することを周知し、保険証書の写しを提出する義務とする、といった対策をおこない万事に備えておきましょう。
まとめ:適切なガソリン代の計算式で正確な通勤交通費を計算しよう
マイカー通勤を行う従業員への通勤手当支給は、通勤距離や使用燃料、ガソリン単価などを考慮した
うえで、公平な金額を支給できるようにしていくことが求められます。
非課税限度額を超える通勤手当額の場合の扱いを含めて慎重に考え、通勤規定を制定することが大切です。
また、正確な通勤手当の算出は、単に従業員の金銭的な負担を軽減するだけでなく、企業と従業員
間の信頼性向上に繋がります。
正しい知識と情報をもとにして、従業員、企業の双方にとってメリットのある制度の構築を目指し
ましょう。
当記事では、マイカー通勤管理について解説しました。
他の通勤手段の通勤手当の考え方は
「通勤手当の計算方法|いろいろな交通手段の計算方法を解説」
で解説していますので、よろしければご参照ください。
マイカー通勤には、ガソリン代の計算にまつわる細かな業務や取り決め、また車両の保健管理など多くの煩雑な業務がつきものです。
通勤管理Arvoは、従業員の自宅から勤務先までの最適な車ルートを自動判断し、正確な通勤距離を算出する機能があり、その距離に基づいてガソリン代を自動計算します。
また、ガソリン単価のほか燃料の管理や、従業員が利用するマイカーの保険情報なども管理でき、マイカー通勤手当を正確に算出することが実現できます。
距離単価によるマイカー通勤手当の支給管理にも対応しており、通勤規定にあった柔軟な運用に対応いたします。
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改定日:2026年5月28日
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