定期券は何日以上の利用がお得?|損益分岐点の利用日数は
毎日の通勤や通学で利用する定期券は、交通費を節約するための有効な手段ですが、では具体的に月に何日以上利用すればお得になるのか、正確に把握している人は少ないかもしれません。
リモートワークの普及など働き方が多様化する中、定期券を購入するよりも利用日数によっては都度払いの方が安く済むケースもあります。
この記事では、定期券の購入でお得になる「損益分岐点」となる日数の計算方法や、
1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月といった期間ごとの違いについての目安を解説します。
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最初に確認!定期券の額面相当の日数を求める計算方法
定期券が本当にお得になるのかを判断するためには、まずその定期券の額面に相当する日数を計算します。
計算方法は非常にシンプルで「定期券の価格÷(片道運賃×2)」という式を用いて、定期券が何日分の運賃になるのかを求めることができます。
この計算によって算出された日数が、定期券の代金と都度払いの交通費が同額になる分岐点になります。
例えば、1ヶ月の定期券代が10,000円で片道運賃が300円(往復600円)の場合、「10,000円÷600円」で約16.7日となり、1か月あたり17日相当の定期金額であると判断できます。
【期間別】何日以上通勤したら定期がお得になる?損益分岐点を比較
定期券には1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月といった複数の期間がありますが、それぞれ割引率が異なります。
一般的に定期期間が長くなるほど割引率は高くなり、定期券の1ヶ月あたりの損益分岐点となる利用日数は少なくなります。
月に何日利用するのか、どの期間の定期券ならお得になるのかを、勤務日数と照らし合わせて、それぞれの損益分岐点を比較してみるといいかもしれません。
1ヶ月定期券の場合
1ヶ月定期券がお得になる利用日数の目安についてですが、東急電鉄の通勤定期券では平均18.9日以上の利用で、都度払いよりもお得になるというデータがあります。
また、JR東日本の通勤定期券では、おおむね月に15回以上(乗車回数では30回以上)の利用でお得になるとされています。
このように定期券を発行している会社によって設定は異なりますが、 JR東日本の場合では、週に換算するとおよそ4日以上の利用で、1か月定期券を購入するメリットが生まれてくるでしょう。
例えば、定期代が12,000円で往復運賃が700円の場合、定期代を往復運賃で割ると約17.1日となり、月に18日以上利用することで都度払いよりもお得になります。
週5日勤務で毎日の通勤に利用する社員へ通勤手当を支給する場合、1ヶ月定期券は一般的な選択肢となり、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
3ヶ月定期券の場合
3ヶ月定期券は1ヶ月定期券よりもより割引率が高く設定されるため、1ヶ月あたりの損益分岐点となる利用日数は、1ヶ月定期券よりも少なくなる傾向にあります。
目安としては、月に15日程度の利用でも都度払いよりも経済的となる場合があり、これは週に3〜4日程度コンスタントに利用する方にとって、1ヶ月定期券を3回分支給するよりもお得になる可能性が高いと言えます。
3カ月定期の場合は、新学期や新生活に合わせて通学を開始する高校生や大学生が、学期期間に合わせて3ヶ月単位で通学定期券を購入することで、割引率の高いお得な定期期間として利用することができます。
6ヶ月定期券の場合
6ヶ月定期券は、他の期間の定期券と比較して最も割引率が高く設定されており、同じ区間を長期的に利用する場合には、交通費を大幅に節約できる経済的な定期券です。
例えば、JR東日本の通勤定期券では、6ヶ月定期券の1ヶ月あたりの運賃は、1ヶ月定期券よりも約20%安くなる場合もあるようです。
JR東日本の例では、6ヶ月定期券の損益分岐点は月に約12日間の利用が分岐点とされていますが、これは週3日以上の利用に相当します。
多くの私鉄でも、おおよそ17回から18回以上出勤する場合には定期券を購入する方が経済効果が高い傾向があります。
ただし、6ヶ月定期券は購入金額が大きくなるので、紛失時のリスクや長期的な異動・転勤の可能性がないかを事前に考慮する必要があります。
また、鉄道の定期については基本、払い戻しは1ヶ月単位で行われますので、残りの期間が1ヶ月未満になると払い戻しができないことや、払い戻し手数料が発生することも留意しておきましょう。
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定期券の解約計算について
定期券を解約する際は、使用した期間に応じて払い戻し額が計算されますが、その計算方法は鉄道会社やバス会社によって異なります。
いずれの場合も、解約手数料が差し引かれるため、払い戻し額が購入金額よりも少なくなります。
特に、使用期間が長くなるほど払い戻し額は少なくなる傾向があり、残りの期間が1ヶ月未満になると払い戻しができないケースもあります。
鉄道定期券の解約
鉄道定期券の解約方法は、利用期間が1ヶ月未満か、1ヶ月以上かで計算方法が変わります。
例えばJRの場合は、定期券の利用期間が7日以内で解約した場合は
「定期券の運賃から往復運賃に利用日数を掛けた金額を差し引いた額」
に解約手数料220円を引いた金額が払い戻されます。
それ以上経過している場合は「定期券の運賃から使用済みの月数分の定期運賃と解約手数料220円を差し引いた額」が払い戻し額となります。
解約計算式は次の通りです。
7日まで 払い戻し額 = 定期券運賃ー往復運賃×利用日数(7日以内)-解約手数料(220円)
それ以外 払い戻し額 = 定期券運賃ー月数分の定期金額-解約手数料(220円)
1ヶ月未満の端数期間は1ヶ月とみなされるため、利用期間によっては払い戻し額が少なくなることや、払い戻し額がなくなる場合もあります。
解約手数料は一般的に一律220円ですが、会社によっては異なる場合がありますので、各鉄道会社に確認すると確実です。
バス定期券の解約
バス定期券を解約する場合の計算方法は、使用した期間によって払い戻し額が決定されます。
一般的に、バス定期券の払い戻し額は
「定期運賃総額から、利用期間に相当する定期運賃、または普通運賃を差し引いた金額」
から、さらに解約手数料が引かれて算出されます。
多くのバス会社では、解約手数料として220円から500円程度を徴収しているケースが多いようです。
例えば、東京都交通局(都営バス)の場合、払い戻し額は
「発売額-(普通運賃×2×経過日数)-手数料」
で計算され、手数料は500円です。
定期券の払い戻しについては
「定期券の払い戻し計算とは?|通勤定期を解約する方法とそのポイント」
で詳しく解説していますので、そちらもあわせてご参照ください。
出勤日数が少ない場合は都度払いの方が安くなる可能性も
テレワークの普及により、週1〜2日程度の出勤という働き方も珍しくなくなりました。
このような場合に、定期券を購入するのは経済的ではありません。
例えば、月に10日しか出勤しないのであれば、16〜17日を大きく下回るので、その都度運賃を支払う方が安く済みます。
鉄道会社によっては、特定の曜日や時間帯に利用できる割引率の高い回数券を用意している場合もあります。
定期券か実費、どちらが経済的なのかで迷った場合は、都度払いやお得な企画乗車券の利用を推奨することも経済的になります。
業務の実態に合わせて、よりよい選択をすることが大切です。
まとめ
定期券の購入は、日々の通勤・通学において交通費を節約するための有効な手段ですが、働き方の変化に合わせて、その利用を見直すことが大切です。
定期券がお得になる損益分岐点は、鉄道会社や区間、そして定期券の期間によって異なります。
各社の運賃体系によって損益分岐となる日数は変動するため、従業員の通勤利用区間の運賃でシミュレーションしてみることをお勧めします。
テレワークの普及などで通勤日数が減少している場合は、定期券を購入するよりも都度払いを利用した方が安く済むケースも少なくありません。
月に10日程度の出勤であれば、都度払いとなる実費通勤費の支給や、回数券の利用を検討するのもよいと思います。
また、定期券を解約する際には、使用期間に応じた払い戻し額から手数料が差し引かれるため、残りの期間や利用状況によってはほとんど払い戻されない可能性もあります。
定期券代で通勤手当を支給するする際は、従業員の通勤頻度や期間、会社の出勤方針などを総合的に考慮したうえで、経済的な選択をするのがよいでしょう。
「通勤管理Arvo」には、定期と実費の費用シミュレーション機能が備わっていますので、通勤手当の最適化に役立ちます。
また、通勤経路はそのままに、定期代支給から実費支給の管理へ簡単に切り替えることができ、正確に通勤手当の管理が実現できます。
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